孤独

2017/ 07/ 20
                 
私は孤独を体験した記憶がないのだが、振り返れば独りでいる時間がとても長い。基本的に母子家庭で、その母は仕事の鬼だったので、幼少期は祖母に育てられた。しかし祖母の他界後は、母の彼氏とお手伝いさんに面倒を見てもらった。要するに、赤の他人に育てられたわけで、手放しに甘えられた思い出がない。小学生になると自分のことは一通りできるようになり、学校が終わり、友人たちと遊ぶ時間が過ぎれば独りの時間が始まる。しかし不思議なくらい寂しさを感じたことがない。何故なら、この世界には普通なら感知できないらしい存在であふれていて、それらが常に私のそばにいて干渉していたからだ。社会人になったとたんに途切れたが、それまではずっと、24時間専属の家庭教師の教育を受けていたようなものだ。そんな環境で孤独を感じるわけがない。

私はいつも、「お前は全然特別ではない」と言われて育った。そのお陰で社会的な地位や名誉、経済的な成功を望むことも、根拠のないプライドに苦しむこともなかった。祖母の実家が病院だったこともあり、私は医者と看護師に囲まれて育ち、大勢の人の生と死に触れた。生きている人と、そうでない人の違いをはっきり認識できなかった私には混乱の連続だったが、成長と供に命の存在形態は肉体だけではないと理解するようになり、その付き合い方も自然と身についた。孤独な存在は生死に関わらず、与えたり、分かち合ったりすることを知らない。求めなければ与えられないと言う言葉があるが、あれは全くの嘘だ。与えたものが還ってくると言うのが物事の真理。そこに議論の余地はない。
                 

コメント

        

Unknown
足跡ペタッ
Re:Unknown
どうも!w
Unknown
読み返して、ためになるなぁと思いました。
有り難うございます。
Re:Unknown
恐縮です...。