夏の夜の楽しみ

2017/ 07/ 30
                 
五月から始まった定期便の仕事が、まさかの会社の合併吸収により三ヵ月で終了。来週からはまたフリーのトラックドライバーに返り咲き、趣味の昆虫採集を再開できそうだ。とは言え、今はコクワガタの雄を一匹しか飼っていないし、雌となると種類がイマイチわからないのが私の昆虫に対する知覚レベルだ。七月は真夏日が九日間も続いたので、八月は北海道にも大量のクワガタやカブトムシが羽化するはず。夏のナイトドライブはクワガタ拾いに明け暮れる。

去年の今頃はノコギリクワガタの幼虫を十六匹飼っていたのだが、欲しいと言う人にケースごとあげてしまった。北海道では専らノコギリクワガタとミヤマクワガタを拾うことが多く、南国のミヤマクワガタマニアには魅力的な環境かもしれない。ただ、ノコギリクワガタもミヤマクワガタも越冬しないので毎年死と対峙するのは辛い。その点、コクワガタは二~三年生きるので初心者に飼うのは優しい。

私の知る限り越冬する種類はコクワガタ、オオクワガタ、ネブトクワガタの類だが、オオクワガタは道南の一部でしか採集できないかもしれない。数十年北海道に暮らしているが、街灯のあるパーキングでオオクワガタに出会ったことは一度もない。専門家の話しでは厚沢部や上ノ国と呼ばれる地域に生息しているらしい。私の場合、放っておけば駐車場で車に轢かれてしまう状況にある個体を保護する立ち位置で採集するので、わざわざ山の中に入ってまでは探さない。

ミヤマとノコギリはかなり戦闘的な性格で、餌を取り替えたり飼育ケースを掃除する際にユニークな威嚇をするのが見ていて楽しい。割り箸を一本与えておけばいつまでも戦っているので逃走することもなく、ガチャガチャと音を立てているので見失うこともない。一方コクワガタは非常にビビりな性格で、人影が近づいただけで慌てふためいてマットに潜る。部屋の中に放すと家電や家具の下に潜り込んでしまうので厄介だ。体がとても薄いので、ゴキブリ並みに狭いところへ入り込む。戦う意識がないので玩具を与えても、それから逃げる。

クワガタは犬や猫のようになつかない生き物ではあるが、見ているととても可愛く、飽きない。カブトムシも決して人には慣れないと言われているが、私の経験ではクワガタの比ではない。三年ほど前に拾ったカブトムシのペアは部屋の中を自由に飛び回り、私の手にランディングする可愛い夫婦だった。六十個のタマゴを産み、それが全て羽化してしまい、里親捜しに苦労した。カブトムシは人に慣れるし、その繁殖力はクワガタの比ではない...それが私の見解だ。ノコギリクワガタは比較的誰でも簡単にブリーディングが可能だが、ミヤマクワガタの繁殖に成功したという話しを身近な場所では聞いたことがない。その割に北海道にはミヤマクワガタがたくさんいる。街から数十キロも離れれば、駐車場の街灯の下でいつでも出会える。最近は少なくなったが、それでも必ずいる。むしろ、本来いないはずのカブトムシがとても増えている。私がカブトムシと出会った最北は道北の枝幸町の山間部。もしかすると稚内辺りまで北上しているかもしれない。

私が拾ったカブトムシのほとんどが、ほんのり堆肥の臭いを纏っている。たぶん牧場の牛糞堆積場で幼虫期を過ごし、そこで羽化しているのだろう。氷点下の真冬でも堆積された牛糞の中は醱酵しているので温かいのだ。九州や関西にいる個体よりやや小振りだが、栄養状態は悪くないらしく、皆とても元気で力強い。北海道ではいてはいけない外来種として駆除の対象になっているが、もう彼らの繁殖を止めることは難しそうだ。大きな体でバイタリティーのあるカブトムシは、明らかにクワガタよりも体力的に強い。餌場では彼らより小さなクワガタは駆逐されるだろうな。若干、頭も良いような気がする。

北海道の夏は短い。クワガタ、カブトムシと出会えるピークはあと二週間ほどだろう。今年は我が家のコクワガタ君のお嫁さんをゲットする予定。専門家のサイトを閲覧して雌の特徴を頭に叩き込んだので、たぶん迷うことなく採集できるだろう。まぁ、立派なミヤマクワガタやノコギリクワガタを見てしまうと拾わずにはいられないので、今年も飼育ケースが増えるだろうな。お世話が大変になるので五ケースまでと上限を設けているが、どうなることやら...。
                 

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